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2019年05月11日

等級制度とは|等級制度3つの分類基準|等級制度を用いた人事労務管理方法

等級制度とは、従業員を「能力・職務・役割」という3つの軸によって区分・序列化を行い、業務遂行時の権限や責任・処遇という部分の根拠となる制度です。導入には煩雑な作業を伴いますが、等級制度によって会社がどのような人材を求めているかを明確に知ることが可能な制度です。

等級制度とは|等級制度3つの分類基準|等級制度を用いた人事労務管理方法

等級制度とは

等級制度とは|等級制度3つの分類基準|等級制度を用いた人事労務管理方法
等級制度とは会社で働く従業員を能力・職務・役割などによって区分、序列化することで業務の権限や責任・処遇などの根拠としようという制度です。

等級制度にて従業員を序列化するには下記記載の大きな3つの軸があります。
1:能力
2:職務
3:役割
これらの大きな分類を基軸にして、会社で働く従業員を区分・序列化すれば立場ごとの責任や役割分担もできますし、能力に応じた報酬の設定などもしやすくなるといった特徴を持っています。

等級制度が与える効果

等級制度が与える効果は従業員の意識向上やモチベーションアップなどです。

等級制度を活用することで会社は自社にどのような人材が必要なのかを明確に知ることができますし、人事制度の骨組み的な役割も果たす制度です。

等級制度によって区分・序列化された従業員がいることで次にどのような人材を欲しているか、どこの部署で役立つ人材なのかということが明確に分かるというのが会社にとって導入する大きなメリットになります。

等級制度の3つの分類基準

等級制度による分類基準は、職能資格制度・職務等級制度・役割等級制度の3つとなります。

職業能力別に分けた職能資格、職務の中身を明確にして仕分ける職務等級、役割に応じて仕分ける役割等級の3つに分けられます。では今から1つずつ説明していきます。

等級制度分類基準1:職能資格制度

職能資格制度とは従業員が持っている能力に応じた等級を定める制度です。

従業員が個々に持っている能力ごとに最適な等級を定めてあげることで、能力に応じた報酬の設定などが行えるのが職能資格制度の特徴です。

職能資格制度をとりまく背景

等級制度とは|等級制度3つの分類基準|等級制度を用いた人事労務管理方法
職能資格制度は日本の人事制度の基本とも言われる日本企業の繁栄を支えてきたシステムです。

職能資格制度は日本の企業において固有の人事制度と言われています。特に長年存続している企業や熟練工が多くいる製造業に向いている制度で、長年の積み重ねで得た能力を階層的に分けて区分付けするという日本の縦割りシステムの基本といえる制度です。

運用に関しては年功序列型になってしまう傾向もあり、対策が必要な制度でもあります。

職能資格制度の特徴

職能でいう能力とは、業務遂行のために蓄積された能力(潜在と顕在)のことです。

能力は特定の職務に対してのものではなく、全ての職務に共通する形で表します。このため年功序列や、会社にいる年数が等級付けになる事が多いのが特徴です。

全ての職務に対して共通する能力の区分を行うには、基準がかなり抽象的なものにならざるをえない現状があるため、近年では少しずつ変化しながら職能資格制度を取り入れる会社も増えています。

活用に適した対象者

活用に適した対象者は会社で働く全ての従業員です。

等級は1等級から9等級というふうに、能力に応じて段階的に上がっていく仕組みが採用されます。長年勤めていれば等級が上がるチャンスも増えるということですので、どの従業員も対象になります。

能力によって等級が上がる仕組みというのは、必ずしも長年いる従業員が等級が高くなることに繋がりませんので、人事側は個々の能力を見極めながら運用することが求められます。

職能資格制度のメリット

職能資格制度を取り入れる事で得られるメリットを説明します。 

職能資格制度導入により得られるメリットは以下のとおりです。
・ 能力に応じてなので、人事異動や職務変更に向いています
・ 努力が結果を生む制度なので、組織の柔軟性を保てます
・ どの従業員も対象なので、従業員にとって安心感のある制度です
・ 会社全体を見渡せるゼネラリストの育成に向いています
・ 会社の核となるコアスキルが企業競争力につながります

職能資格制度のデメリット

では次に職能資格制度の導入で起こるデメリットをご説明します。

職能資格制度導入により考えられるデメリットは以下のとおりです。
・ 年功序列型や会社に入った順番になってしまいやすい傾向がみられます
・ 中高年者が多い会社内では組織がいびつな形になってしまうことがあります
・ 組織内の循環が悪く総人件費が高くなってしまう傾向がみられます
・ 資格等級と職務の内容にズレが生じやすい傾向がみられます

等級制度分類基準2:職務等級制度

職務等級制度とは、1つの職務内の職務内容やその難易度を明確化してそれぞれの給与テーブルを用意する制度です。

あらゆる職務について詳細な職務記述書を作成することから制度作りを始めていきます。

職務等級制度をとりまく背景

等級制度とは|等級制度3つの分類基準|等級制度を用いた人事労務管理方法
職務等級制度は海外や特にアメリカで発達した制度で、仕事のみで評価のできる制度として活用されています。

外国では人種差別などで企業側が訴えられるケースが後を絶たなかったため、仕事内容のみで評価が可能な職務等級制度は企業が訴えられるリスクを軽減する意味でも効果的でした。

同一労働・同一賃金が原則なので、学歴や年齢、勤続年数といった職能資格制度で取り入れられていた要素は一切考慮しない制度となっています。

職務等級制度の特徴

職務等級制度の特徴は、全てが仕事ベースによる等級制度であることです。

日本では結果を出した人だけが評価の対象になる職務等級制度は広がりを見せておらず、国柄の影響も大きく関係している制度と言えます。

日本でも外資系企業では採用率が高い傾向にありますが、お互いに助け合って企業を成長させるという考え方が根強い日本企業では日本企業の良さが失われてしまうという視点からも職務等級制度が普及しない現況があります。

活用に適した対象者

職務等級制度に適した対象者は仕事スキルの高い人材です。

全てが仕事ベースによって仕分けられるため、職務遂行の能力が高くない人材は職務等級制度には向いていません。その代わり、職務遂行能力が高ければ高いほど能力に見合った報酬を得れるので、質の高い仕事をこなすことが可能な人材には最適な制度といえます。

年功序列や勤続年数を一切考慮しないので、自分の能力1つで報酬を得られるタイプの人材に向いている制度です。

職務等級制度のメリット

職務等級制度によるメリットを説明します。

職務等級制度によるメリットは以下のとおりです。
・ 職務と給与が合理的で納得のいくものになります
・ 求められる人材の姿がわかりやすくなります
・ さらなるスペシャリストの育成に効果を発揮します
・ 必要な人材に必要な仕事が割り当てられるので、総人件費の抑制につながります
・ 仕事ベースで全てを評価できるので評価基準がわかりやすい傾向にあります

職務等級制度のデメリット

では職務等級制度の導入で起こるデメリットをご説明します。

職務等級制度の導入で起こりうるデメリットは以下のとおりです。
・ 職務記述書という導入に必要な基本ベース書類の作成と理解が難しいです
・ 職務と給与の対応にはノウハウがあるものが対応しないと難しいです
・ 同じ仕事を続けている限りは給与も上がらないです
・ 組織や職務が固定化しやすい傾向にあります
・ 生活に応じた生活給への配慮が難しい一面もあります

等級制度分類基準3:役割等級制度

役割等級制度とは、役職×職務=役割という考え方をもとにその役割に応じた等級を設定する制度です。

基本的には役割に応じた等級が設定されますが、等級制度自体に統一的な仕組みはないので導入する企業によって制度の形は変わります。

役割等級制度をとりまく背景

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役割等級制度は「役割」に重点を置いた制度で、その役割とは職責を果たすために期待される行動を簡単にまとめておおまかにくくったものです。

先に説明した職能資格制度と職務等級制度が持っているよい部分を受け継いだ制度が役割等級制度であると考えると理解しやすいです。

いいとこ取り的な要素を持つ役割等級制度ですが、決まったフォーマットがないため、導入する企業の活用の仕方に左右されるという点も考える必要があります。

役割等級制度の特徴

役割等級制度は「役割」基準の等級制度なので能力だけがあっても役割を果たしていなければ等級の評価を受けれない特徴を持っています。

定型化・細分化された職務の内容だけではなく、管理職などのポジションに応じて期待される非定型な業務も役割等級制度に含むことができます。

活用に適した対象者

役割等級制度に適した対象者は、さまざまな仕事に対して柔軟な対応が出来る従業員です。

職務等級制度は1980年代のアメリカで考案された制度です。当時のアメリカは職務等級制度が一般的でしたが、個々が決められた仕事のみをする形ができてしまい、組織も縦割りになることで企業の競争力が削がれるという結果を生み出しました。

そこで従来の縦割り業務に部門間の壁を取っ払い柔軟性を持たせたものを「役割」としていきました。

役割等級制度のメリット

役割等級制度のメリットの説明をします。

役割等級制度の導入によるメリットは以下のとおりです。
・ 役割の大きさと給与が適正で合っています
・ 会社で働く従業員それぞれの役割というのが明確になります
・ 役割の評価が比較的簡単にできます
・ 組織や職務が変化していく時に対応できます
・ 全体的な人件費は低めになります

役割等級制度のデメリット

では次に役割等級制度によっておこるデメリットをご説明します。

役割等級制度によって起こりうるデメリットは以下のとおりです。
・ 役割等級制度を導入した際に役割等級の信頼性というものを確保していくには一定のノウハウが必要となります
・ 外部の環境が変わったときは役割を見直すといった柔軟な運用能力が求められます
・ しっかりとした制度として根付かせないと、名前ばかりの制度になってしまいます

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等級制度を用いた人事労務管理方法

等級制度とは|等級制度3つの分類基準|等級制度を用いた人事労務管理方法
等級制度は人事管理の基盤となる制度なので、管理を行うためには会社や事業の方向性が定まっている事が必要とされます。

管理に関してまず、会社や事業の方向性や必要な人材のイメージ、さらに処遇に関する考え方というのを総合的に固めた上で会社としてどのような人材マネジメントを行っていくべきかを方針として確立させる必要があります。

職能資格制度を活用した人事管理

職能資格制度を活用した人事管理方法を説明します。

人ベースによる考え方が職能資格制度の基本ですので、業務を遂行するための能力が蓄積された従業員から優先的に等級を決めていくという方法が、職能資格制度を活かせる理想的な形です。

他の従業員も等級付けによる刺激を受けてモチベーション向上につながります。

職務等級制度を活用した人事管理

では次に職務等級制度を活用した人事管理を説明します。

仕事ベースによる考え方が職務等級制度なので、職務遂行能力の高い従業員を中心に等級を割り振りしていくことが可能です。しかしその反面職務遂行能力の低い従業員の等級が変化しないということでもあるので、公平で納得のいく等級付けを行える能力が求められます。

役割等級制度を活用した人事管理

最後に役割等級制度を活用した人事管理について説明します。

役割等級制度が導入されている企業は、会社内での役割が明確になっている会社なので、従業員の1人1人が会社の事業達成のために、自分はどのような役割をこなせばよいかわかっています。

職能資格、職務等級のいいとこ取りができて役割が企業に明確に導入されているなら、それだけで人事としては決めやすい形ができあがっているといえます。

等級制度を導入して人事労務の管理をスムーズにしませんか

等級制度の導入によって人事の管理がスムーズにいきます。

どの等級制度も一長一短があるためにどれが一番ということはできませんが、自社にとって最適な等級制度はどれにあたるかは分かっていただけたはずです。この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

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